2016年 06月 23日
くらしの循環 / 西伊豆町
西伊豆へ見学ツアーの続き。
二日目の午前中は、
本枯れ田子節づくりをされているカネサ鰹節商店さんへ。
きれいな形のカツオ節をつくるための
切り方・おろし方があること。
骨抜きをして、抜いて出来た穴を埋める作業、
そして焙乾と天日干しの工程などなど。
焙乾とは、薪を燃やして煙を利用して乾燥させること。
切ったカツオを籠に並べて燻して水分を抜いていきます。
水分を抜く工程には、伊豆田子節の製法である4回以上の
カビ付け天日干し乾燥を繰り返すことで本枯れ鰹節となり、
約半年の時間がかかるもの。
とても手間暇のいる食材であり、
お土産に買った鰹節ご飯。
五代目の芹沢さんをはじめとしたつくり手のみなさまに
美味しい鰹節をありがとう、そう思いながら食べました。
つくり手の声を直に聞くことができて、
とても新鮮な気持ちになり、勉強になり、
その時は、あまりにも話が深くて、
ただただ頷くことしかできませんでした。
その中で、共感できることもありました。
美味しい鰹節を作るために必要なこと。
ここまで書いてきた製法はもちろんですが、
外的要因に左右されること。
それは、海の環境を守ること。
プランクトン豊富な良好な海を守っていくこと。
次に、良好な海を作っていくためには、
山・森が元気であること。
山・森が元気である状態とは、
ひとが山に入り、手入れをし続けていくこと。
山の生物多様性を守ることが、
ミネラル豊富な川の水を育み、海へと流れる。
山・森と海は繋がっている。
その結果、美味しい鰹節を食べることができるわけです。
カネサ鰹節商店さんが焙乾に使う薪は、
その地域の山の木を使っています。
言い換えると、薪を買うってこと。
山の手入れをしている方々に、お金を支払うということ。
この関係性が、未来ある暮らしの循環 です。
わたしは、日本の山の木を使った家づくりをする建築士。
建築士のわたしと、鰹節が繋がるなんて、
とても嬉しい発見でした。
丁寧な説明と貴重なお時間をくださった
カネサ鰹節商店の芹沢さん、ありがとうございました。
濃厚な午前中の体験はここまでとして、
またまた濃厚な午後の話は、後日にいたします。